昔のはなし②
思えば小学生の頃、学校で赤い羽根募金を募っていて、多くの同級生が100円玉を握りしめて持ってきていたが、私はおこづかいの1000円札を持っていった。
そしたらクラスメイトや親に「わぁ凄いね」と言われ、腑に落ちなかった記憶がある。
…全然凄くなんかない。
たった1000円ポッチしか、募金できないのだから。
しかも、これは私が稼いだお金じゃない。
当時、自分の無力になすすべもなくガッカリしていたことを覚えている。
それにも関わらす、喉元過ぎれば熱さを忘れ、その後募金やボランティアをする訳でもなく、また冴えない日常に呆然と身を投じていったのだ。