リサイクルよりもミニマムライフへ
最近やたら私の携帯に出現するNGOグリーンピースの広告によれば、
ペットボトル飲料等のプラスチックゴミのリサイクル率は約9%ほどにしかならず、リサイクルをしたとしても劣化があり、その際に有害化学物質が出るとして、リサイクルではなく根本的にプラスチックの消費を減らさなければならない
とのこと。
リサイクルをすることでどこかゴミ問題に対する罪悪感が減る気がするのは、私だけではないと思う。もしグリーンピースのいうことが本当だとしたら、このペットボトルリサイクルとは、その趣旨が本末転倒に終わることになる。
また、フリーランス国際協力師こと原貫太氏によると
古着リサイクルの善意がアフリカ産業に悪影響を与えている。なぜなら現地の繊維業が滞るからである。そのためアフリカがはアメリカ等の先進国から古着を輸入を拒みたいが、アメリカ等の先進国は大量の古着の「最終処分場」としてアフリカに押し付け続けているため、アフリカは先進国依存から抜け出せない(PRESIDENTonlineより)
という。
私はつい先日も古着処分で寄付やリサイクルに活用できないか探していたが、まさかリサイクル先でそんなことになっていようとは。古着回収は割と身近でも多く見かけるが、どの団体がどういうリサイクルをしているのかよく分からないことがある。また今は、コロナの影響で古着の海外輸出が足踏みされていて受付を中止しているところも多かった。
かつての常識は今日、目まぐるしく変化しているため、環境問題やボランティア等はその行動を正しい知識と情報に則って行わなければならない。簡単にはできないが、本当はフットワーク軽く何事も現地に行って需要を確かめないと、ただ聞こえのいいボランティア等を受動的にこなすだけでは空回りする可能性がある。私が学生時代、なかなかボランティア活動や定期寄付に重い腰が上がらなかったのは、こういった基礎知識がないことによる空振りを恐れてのことだった。やはり、行動を起こすには労力がいる。世界を正しく視、判断し、行動を起こすのは容易ではない。
正しい情報の選別に足がすくみそうになるのだが、取り敢えず手っ取り早く確実なことは、資本主義が誇る大量消費や使い捨ての習慣から、抜け出すことだと思う。
先日マルクスの「資本論」がNHKで取り上げられ、経済思想家の齋藤幸平氏が解説していた。一言で言えば、マルクスの言うように、今こそ資本主義によって疲弊した環境と労働者を労り、修正版資本主義として必要最小限の消費をしようとのこと。
環境問題に対する正しい情報の選別や何をすべきか何ができるか等、取っ付きにくく見えにくく、労力もかかるとなれば現実的でないが、実はとてもシンプルなのかもしれない。
ミニマムライフ。
物を大切に使う。
地産地消。
…等、誰でも一度は聞いたことがあるありふれた手法。
簡単だけど、意外に難しい。
しかし必要なのは、これ以上でも以下でもないのかもしれない。